顎関節症とは、あごの関節や、あごを動かす筋肉に不調が起こり、痛みや動かしにくさなどが現れる状態をいいます。
口を開け閉めするときに、
・あごが痛む
・カクカク音がする
・口が開けにくい
といった症状がみられるのが特徴です。
英語では Temporomandibular Disorders と呼ばれ、「TMD」と略されることもあります。
顎関節症は珍しい病気ではなく、ストレスや生活習慣とも関係しながら、多くの方にみられる身近な症状です。
なぜ起こるの?
顎関節症は、ひとつの原因だけで起こることは少なく、いくつかの要因が重なって発症すると考えられています。
主な要因として、
・歯ぎしりや食いしばり
・かみ合わせの問題
・長時間のうつむき姿勢
・頬づえをつく習慣
・ストレスによる筋肉の緊張
・事故や転倒などによる外傷
などがあります。
特に、無意識の食いしばりは、あごの関節や筋肉に大きな負担をかけることがあります。
また、パソコンやスマートフォンを長時間使う姿勢によって、首や肩の筋肉が緊張し、あご周囲に負担がかかる場合もあります。
どんな症状が出るの?
代表的な症状には、次のようなものがあります。
・口を開けるとあごが痛む
・あごを動かすと音がする
・口が大きく開かない
・あごが疲れやすい、だるい
そのほか、
・こめかみの痛み
・耳の周囲の違和感
・頭が重い感じ
・首や肩のこり
などを伴うこともあります。
症状の強さや現れ方には個人差があります。
また、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すことも少なくありません。
どうやって診断するの?
診断では、症状の内容や生活習慣について詳しく確認します。
医師や歯科医師は、
・あごの動き
・口の開き具合
・痛みの場所
・関節の音
などを診察します。
必要に応じて、レントゲンやMRIなどの画像検査を行い、関節や周囲の状態を確認することがあります。
これらの情報を総合して、顎関節症かどうかを判断します。
治療の基本
治療では、あごへの負担を減らし、症状を和らげることが基本になります。
まずは、
・強いかみしめを避ける
・硬い食べ物を控える
・姿勢を見直す
・頬づえを減らす
など、日常生活の工夫が重要です。
必要に応じて、
・鎮痛薬
・マウスピース療法
・理学療法
などが行われます。
多くの場合は、手術ではなく、こうした保存的な治療で改善が期待できます。
鍼灸は役立つの?
鍼灸は、顎関節症に対する補助的な方法として研究されています。
鍼やお灸の刺激によって、あごや首、肩まわりの筋肉の緊張がやわらぎ、血流が改善することで、痛みや動かしにくさの軽減につながる可能性があります。
一部の研究では、
・痛みの軽減
・口の開けやすさの改善
などが報告されています。
また、ストレスや緊張が強い方では、リラックスを目的として行われることもあります。
ただし、鍼灸だけで顎関節症を治すことは難しく、現在の医学では標準治療の代わりになるものではありません。
そのため、歯科や医療機関での治療と組み合わせながら、補助的に取り入れることが大切です。
受診の目安
次のような場合は、歯科や医療機関への相談をおすすめします。
・あごの痛みや違和感が数週間続く
・口が開きにくくなってきた
・食事や会話に支障がある
・痛みが強くなっている
・あごが動かなくなることがある
早めに相談することで、症状の悪化を防げる場合があります。
まとめ
顎関節症は、あごの関節や筋肉に負担がかかることで起こる、身近な症状です。
原因には、食いしばりや姿勢、ストレスなど、さまざまな要因が関係しています。
治療では、生活習慣の見直しやマウスピース療法などの保存的治療が基本になります。
鍼灸は、筋肉の緊張や痛みをやわらげる補助的な方法として役立つ可能性があります。
症状が続く場合は、一人で我慢せず、歯科医師や医師、鍼灸師に相談しながら、自分に合った方法を見つけていきましょう。
