めまいとは、自分や周囲が回っているように感じたり、体がふらついてまっすぐ立てないように感じたりする状態をいいます。
一時的に起こる軽いものから、繰り返し続くものまであり、原因も重さもさまざまです。
なぜ起こるの?
めまいは、体のバランスを保つ仕組みに乱れが生じることで起こります。
バランスには主に「耳」「目」「筋肉や神経」「脳」が関わっています。
主な原因としては、
・内耳(平衡感覚の器官)の異常
・脳や神経の病気
・血圧の急な変動
・自律神経の乱れ
・ストレスや疲労
などがあります。
代表的な病気としては、
・良性発作性頭位めまい症
・メニエール病
・前庭神経炎
などが知られています。[1]
どんな症状が出るの?
めまいの感じ方にはいくつかのタイプがあります。
・ぐるぐる回るようなめまい
・ふわふわ浮くような不安定感
・立ちくらみのような一瞬のめまい
これに加えて、
・吐き気や嘔吐
・耳鳴り
・聞こえにくさ
・頭が重い感じ
などを伴うこともあります。
動いたときや特定の姿勢で強くなることもあります。
どうやって診断するの?
診断では、まず症状の詳しい聞き取りが重要です。
・いつから始まったか
・どのような状況で起こるか
・どのくらい続くか
・繰り返しているか
などを確認します。
そのうえで、
・聴力検査
・平衡機能検査
・血液検査
・MRIなどの画像検査
を行い、耳や脳の病気がないかを調べます。[1][2]
治療の基本
治療は原因に応じて行われます。
主に、
・薬による治療
・めまいのリハビリ(前庭リハビリテーション)
・生活習慣の調整
などが行われます。
急性期には安静が必要な場合もありますが、回復期には適度に体を動かすことが改善につながることもあります。
鍼灸は役立つの?
鍼灸は、めまいに対する補助的な方法として用いられることがあります。
鍼やお灸の刺激によって、
・首や肩の緊張をやわらげる
・血流を改善する
・自律神経のバランスを整える
といった働きが期待されると考えられています。
その結果として、ふらつきや不快感が軽くなる可能性があります。[3]
ただし、すべてのめまいに有効ではなく、原因によっては適さない場合もあります。[3]
まずは医療機関で原因を確認し、そのうえで補助的に併用することが大切です。
受診の目安
次のような場合は、早めの受診が必要です。
・突然、これまでにない強いめまいが起こった
・激しい頭痛、ろれつが回らない、手足のまひやしびれを伴う
・意識がぼんやりする
これらは脳の病気の可能性があります。[2]
また、
・めまいが数日以上続く
・日常生活に支障が出ている
・耳鳴りや難聴を繰り返す
・強い吐き気で水分がとれない
・転倒しそうなほどふらつく
場合も受診が必要です。[1][2]
まとめ
めまいは、耳・脳・自律神経などの働きの乱れによって起こる症状です。
原因はさまざまで、正確な診断と適切な治療が重要です。
鍼灸は、首や肩の緊張や自律神経のバランスに働きかけ、症状のつらさを軽減する補助的な方法として役立つ可能性があります。[3]
症状が続く場合や急に強く出た場合は、早めに医療機関へ相談することが大切です。
【脚注一覧】
[1] 日本めまい平衡医学会 診断基準化委員会(編)『良性発作性頭位めまい症(BPPV)診療ガイドライン2023年版』金原出版, 2023.(BPPVの疾患概念・診断基準・治療アルゴリズムを定めた国内ガイドライン)
日本めまい平衡医学会『メニエール病診療ガイドライン2020年版』金原出版, 2020.
日本めまい平衡医学会 診断基準化委員会「めまいの診断基準化のための資料 診断基準2017」(前庭神経炎の診断基準)
なお、末梢性めまいが約75%、中枢性めまいが約4%、その他(起立性低血圧、心因性めまい等)が約21%という数値は、全国統計ではなく、ある大学病院神経耳科の2018年度院内統計に基づくものである点に留意が必要です(出典:日経メディカル「前庭神経炎(めまい)」「メニエール病(めまい)」解説記事, 2020年3月更新)。全国的な疫学データとしてではなく、臨床現場での傾向を示す一例として引用しています。
[2] 複視・構音障害・嚥下障害・運動失調・嗄声(いわゆる「5つのD」)などの随伴神経症状は、脳幹・小脳を病変とする中枢性めまい(脳卒中など)を示唆する警告徴候であるとする臨床総説(例:Kim AS, Fung CC. Practice Pointer: Acute vertigo: getting the diagnosis right. BMJ等の臨床レビュー記事群)。救急外来を受診するめまい患者のうち約4〜10%に脳卒中が背景にあるとの報告(複数の救急医学系総説による)。この数値・徴候の記載は、単一の決定的な一次文献ではなく、救急医学・神経内科領域で広く共有されている臨床的知見の集約であることを申し添えます。
[3] Hou Z, Xu S, Li Q, Cai L, Wu W, Yu H, Chen H. The Efficacy of Acupuncture for the Treatment of Cervical Vertigo: A Systematic Review and Meta-Analysis. Evid Based Complement Alternat Med. 2017;2017:7597363.(10件のRCT・914例のメタ解析。頸性めまいに対して鍼治療が通常の薬物療法と比較し有効性・改善率に優れ、椎骨脳底動脈の平均血流速度を改善したと報告。ただしGRADE評価ではエビデンスの質は「非常に低い〜低い」)
Xia Y, Sun J, Dai K, Sun F, Ren Z, Cheng B. Acupuncture for Residual Dizziness After Successful Repositioning Maneuvers in Patients with Benign Paroxysmal Positional Vertigo: Study Protocol for a Randomized Noninferiority Trial. Medical Acupuncture. 2024;36(4):227-234.(BPPVの耳石置換法後に残存するふらつきに対する鍼治療とベタヒスチン内服の無作為化非劣性試験のプロトコル論文。本論文自体はプロトコル論文であり、有効性を確定づける結果ではない点に注意)
・これらは、お知らせブログの過去の記事を転載したものです。
・過去の記事のため、一部内容を加筆・修正しています。
・2026年8月:脚注をAIを用いて追加しました。
