慢性便秘とは、排便の回数が少ない、便が硬くて出しにくい、排便後もすっきりしないといった状態が長く続き、日常生活に支障が出ている状態をいいます。
一時的な便秘とは異なり、症状が習慣のように続いている点が特徴です。
国際的な診断基準(Rome IV基準)でも、症状の持続と生活への影響が重視されています。
なぜ起こるの?
慢性便秘は、一つの原因だけで起こることは少なく、複数の要因が重なって起こると考えられています。
主な要因として、
・食物繊維や水分の不足
・運動不足
・排便を我慢する習慣
・生活リズムの乱れ
・ストレスや緊張
・加齢による腸の動きの低下
・薬の副作用(鎮痛薬、抗うつ薬など)
などがあります。
また、
・腸の動きが弱くなるタイプ(大腸通過遅延型)
・便意があってもうまく出せないタイプ(排便障害型)
など、タイプによって原因の仕組みが異なります。
どんな症状が出るの?
慢性便秘では、排便そのものに関する症状が中心になります。
・排便回数の減少
・便が硬い
・強くいきまないと出ない
・残便感がある
これらに加えて、
・お腹の張り
・腹部の不快感
・食欲の低下
・気分の落ち込み
などがみられることもあります。
症状の強さには個人差があります。
どうやって診断するの?
診断では、まず排便の状態や生活習慣を詳しく確認します。
・排便回数
・便の硬さ
・排便時の状況
・症状の期間
・食事や運動習慣
・服用中の薬
などを問診します。
必要に応じて、
・血液検査
・腹部X線やCT検査
・大腸内視鏡検査
などを行い、大腸がんや炎症性疾患などの病気がないかを確認します。
これらで重い病気が否定され、症状が続く場合に慢性便秘と診断されます。
治療の基本
治療の基本は、生活習慣の改善と薬物療法です。
まず大切なのは、
・水分をしっかりとる
・食物繊維を意識した食事をとる
・適度に体を動かす
・毎日同じ時間にトイレに行く習慣をつける
といった生活の見直しです。
必要に応じて、
・便をやわらかくする薬
・腸の動きを助ける薬
・排便を促す薬
などが使われます。
便秘のタイプに合わせて治療を調整することが重要です。
鍼灸は役立つの?
鍼灸は慢性便秘に対する補助的な方法として研究されています。
鍼やお灸の刺激によって、
・自律神経の働きの調整
・腸の運動(蠕動運動)の促進
・腹部の血流改善
などが起こる可能性があると考えられています。
一部の研究では、排便回数の増加や便通の改善が報告されています。
ただし、効果には個人差があり、鍼灸だけで便秘を根本的に治すことは難しいとされています。
標準的な治療と生活改善を基本としながら、補助的に併用する位置づけです。
受診の目安
次のような場合は、早めの受診が勧められます。
・便秘が急に悪化した
・血便が出る
・強い腹痛を伴う
・体重減少がある
・長期間改善しない
これらは、他の病気が隠れている可能性もあるため注意が必要です。
まとめ
慢性便秘は、生活習慣や腸の働きの低下などが関係して起こる、よくみられる症状です。
治療の基本は、食事・運動・排便習慣の改善と、必要に応じた薬物療法です。
鍼灸は腸の働きや自律神経に働きかけ、便通の改善を助ける補助的な方法として役立つ可能性があります。
症状が続く場合は我慢せず、医療機関に相談することが大切です。
