逆子とは、妊娠中に赤ちゃんの頭が上にあり、おしりや足が下を向いている状態をいいます。

医学的には「骨盤位」と呼ばれます。

通常、赤ちゃんは出産に向けて頭を下にした姿勢になります。

妊娠28〜32週頃までには、多くの赤ちゃんが自然に頭を下へ向けるため、妊娠中期までの逆子は珍しくありません。

しかし、妊娠後期になっても頭が下を向かない場合に、「逆子」と呼ばれます。

なぜ起こるの?

逆子の原因は一つではなく、さまざまな要因が関係すると考えられています。

たとえば、

・子宮の形や大きさ
・羊水の量
・胎盤の位置
・へその緒の状態
・赤ちゃんの大きさや動きやすさ
・子宮筋腫の有無

などが影響することがあります。

ただし、特別な異常がなくても逆子になることはあり、原因がはっきりしない場合も少なくありません。

どんな症状が出るの?

逆子そのものには、特有の症状がほとんどありません。

妊婦さんによっては、

・膀胱の近くで強い胎動を感じる
・みぞおち付近を蹴られる感じがする
・お腹の張り方が違う気がする

と感じることがあります。

ただし、感じ方には個人差があり、症状だけで逆子かどうかを判断することはできません。

どうやって診断するの?

診断は、妊婦健診で行われます。

医師や助産師が、

・お腹の触診
・超音波検査(エコー)

によって、赤ちゃんの向きを確認します。

超音波検査では、

・赤ちゃんの姿勢
・胎盤の位置
・羊水量
・へその緒の状態

なども確認します。

治療の基本

妊娠中期までは、多くの逆子が自然に頭位へ戻るため、通常は経過観察となります。

妊娠後期になっても逆子が続く場合には、医師が「外回転術」を検討することがあります。

外回転術とは、お腹の上から赤ちゃんを回転させ、頭を下に向ける方法です。

一般的には妊娠36〜37週頃に行われます。

ただし、

・胎盤の位置
・羊水量
・母体や赤ちゃんの状態

によっては適応にならないこともあります。

逆子のまま出産を迎える場合は、安全性を考慮して帝王切開が選ばれることが多くなっています。

出産方法については、母体と赤ちゃんの安全を最優先にして決めていきます。

鍼灸は役立つの?

鍼灸やお灸は、逆子に対する補助的な方法として行われることがあります。

特に、足の小指付近にある経穴へのお灸刺激が、赤ちゃんの向きを変えやすくする可能性が研究されています。

一部の研究では、

・自然に頭位へ戻る割合が高かった
・赤ちゃんの動きが増えた

といった報告があります。

作用のしくみとしては、

・子宮周囲の血流改善
・自律神経への影響
・赤ちゃんが動きやすくなること

などが関係している可能性が考えられています。

ただし、研究結果にはばらつきがあり、すべての方に効果があると証明されているわけではありません。

また、

・妊娠週数
・お腹の張り
・赤ちゃんや母体の状態

によっては、鍼灸が適さない場合もあります。

鍼灸は、逆子を直接治す治療というより、「自然に回転しやすい状態を整える補助的な方法」と考えられています。

妊娠中に鍼灸を受ける場合は、妊婦への施術経験がある鍼灸師のもとで、主治医と相談しながら行うことが大切です。

日常生活で気をつけたいこと

・定期的な妊婦健診を受ける
・無理をせず十分に休養をとる
・体を冷やしすぎない
・強いお腹の張りがあるときは安静にする
・自己判断で強い体操や矯正を行わない

インターネット上にはさまざまな情報がありますが、自己流の方法で無理をすることは避けましょう。

受診の目安

次のような場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。

・お腹の張りや痛みが強い
・出血がある
・破水した可能性がある
・胎動が急に少なくなった
・強い不安がある
・出産方法について相談したい

妊娠中は、気になることを我慢せず相談することが大切です。

まとめ

逆子とは、赤ちゃんの頭が上を向いている状態です。

妊娠中期までは自然に戻ることも多く、まずは経過をみることが一般的です。

妊娠後期まで続く場合には、外回転術や帝王切開など、安全性を考えた対応が検討されます。

鍼灸やお灸は、自然に回転しやすい状態を整える補助的な方法として役立つ可能性があります。

不安なときは、一人で悩まず、産婦人科医や専門家に相談しましょう。