不安障害とは、強い不安や恐怖が続き、日常生活や仕事、人間関係などに支障が出る状態を指します。

不安を感じること自体は自然な反応ですが、不安障害では、不安が必要以上に強くなったり、長く続いたりして、自分ではコントロールしにくくなります。

不安障害には、次のような種類があります。

・全般不安症(全般性不安障害)
・パニック症(パニック障害)
・社交不安症
・恐怖症
・強迫症
などです。

近年の医学研究では、不安障害は「気持ちの問題」だけではなく、脳や神経の働き、ストレス反応などが関係する病気と考えられています。

なぜ起こるの?

不安障害は、一つの原因だけで起こるわけではありません。

いくつかの要因が重なって発症すると考えられています。

関係すると考えられているものには、次のようなものがあります。

・体質や遺伝的な傾向
・強いストレスやつらい体験
・長期間の緊張状態
・睡眠不足
・生活環境の変化
・仕事や家庭での負担
・脳内の神経伝達物質のバランスの変化

また、不安が続くことで、自律神経が過敏になり、体の症状がさらに強くなることもあります。

どんな症状が出るの?

不安障害では、心の症状と体の症状の両方がみられることがあります。

心の症状

・強い不安感
・心配が止まらない
・落ち着かない
・イライラしやすい
・「何か悪いことが起きるのでは」と感じる
・人前が極端に怖い

体の症状

・動悸
・息苦しさ
・胸の圧迫感
・めまい
・発汗
・手足の震え
・胃の不快感
・下痢や吐き気
・肩こり
・頭痛
・不眠

パニック症では、突然強い不安とともに、息苦しさや動悸が急に起こる「パニック発作」がみられることがあります。

症状の出方や強さには個人差があります。

どうやって診断するの?

診断では、症状の内容や続いている期間、生活への影響を詳しく確認します。

医師は、

・どんな不安があるか
・いつから続いているか
・どんな場面で起こるか
・睡眠や生活状況
・仕事や学校への影響

などを丁寧に確認します。

必要に応じて、質問票などを用いた評価が行われます。

また、動悸や息苦しさなどが、ほかの病気によるものではないか確認するため、血液検査や心電図などが行われることもあります。

治療の基本

不安障害の治療では、不安をやわらげ、安心して生活できる状態を目指します。

主な治療には次のようなものがあります。

心理療法

認知行動療法(CBT)は、不安障害に対して効果が確認されている治療法の一つです。

不安の感じ方や考え方、行動のパターンを整理し、不安への対処法を身につけていきます。

薬物療法

症状に応じて、

・SSRIなどの抗うつ薬
・抗不安薬

などが使われます。

薬は自己判断で急に中止せず、医師と相談しながら調整することが大切です。

生活習慣の調整

・十分な睡眠
・規則正しい生活
・軽い運動
・カフェインやアルコールのとりすぎを避ける
・ストレスをため込みすぎない

ことも症状の安定に役立ちます。

鍼灸は役立つの?

鍼灸は、不安障害に対する補助的な方法として研究されています。

鍼やお灸の刺激によって、自律神経の働きや筋肉の緊張に影響し、心身のリラックスにつながる可能性があると考えられています。

一部の研究では、

・不安感
・睡眠の質
・肩こりや動悸などの身体症状

の改善が報告されています。

ただし、研究結果にはばらつきがあり、効果には個人差があります。

鍼灸だけで不安障害を治療することは難しく、認知行動療法や薬物療法などの標準的な治療を基本にすることが重要です。

鍼灸は、医療と併用しながら、心身の緊張をやわらげる補助的な方法として取り入れることが一般的です。

受診の目安

次のような場合は、医療機関への相談をおすすめします。

・不安や緊張が長く続いている
・眠れない日が続いている
・仕事や学校、家事に支障がある
・動悸や息苦しさが強い
・外出や人と会うことが難しくなっている
・気分の落ち込みが強い

また、

・「消えてしまいたい」と感じる
・自分を傷つけたくなる

などの気持ちがある場合は、早めに専門機関へ相談することが大切です。

まとめ

不安障害は、強い不安や緊張が続き、生活に影響を与える病気です。

脳や神経、自律神経、ストレスなど、さまざまな要因が関係していると考えられています。

治療は、認知行動療法や薬物療法などの標準的な医療を中心に行います。

鍼灸は、緊張や身体症状をやわらげる補助的な方法として役立つ可能性があります。

つらい不安を一人で抱え込まず、早めに医療機関へ相談することが大切です。